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『イングランドヒル』のことは、随分前から書こう書こうと思っていたのですが、
ついつい、今まで先延ばしにしてしまっていました。
連休で時間が沢山あったということもあり、この機会に久し振りに思い出し、
重い腰を…いえ、重く閉ざした記憶を呼び覚まして書いてみようと思います。

『イングランドヒル』の、マッチ
イングランドヒル 裏

反対側は『ピザリアべルボン』の、マッチ
イングランドヒル 表
(採取は1980年代、知人からもらったもの)

『イングランドヒル』のマッチの記事を載せたのは、
このブログを始めて間もない2012年12月のことでした。

このマッチは、私の第一次マッチブームである昭和50年代後半に
友人から貰った物ということは確かだったのですが、
マッチには店名と、市外局番の無い電話番号しか記載されてなく、
何処のどんなお店だったのか全く不明でした。
したがって、ブログ記事にも、
 「人にもらった物というのは確かですが、お店の所在地等は不明」
と、極めてそっけない記載をしただけでした。

ところが後日(2012年)、この記事に、このマッチ(店)のことをご存知だという方からコメントを頂き、
『イングランドヒル』のことが概ね明らかになったのです。
その方とのやり取りの中から、
『イングランドヒル』という店に関わった色々な方達の人生に図らずも触れ、
マッチひとつからこんなに沢山の物語が生まれるのだなぁ…とつくづく感じ入ったのでした。
その内容の全てをここに書くわけには行きませんが、
追補記事ということで、『イングランドヒル』のことを、ちょっと追記しておこうと思います。

                        *****

『イングランドヒル』は、長野県長野市にあった喫茶店で、
コメントを下さった方 (以下Kさんと呼びます) のご両親がお世話になった友人S氏が経営されていた喫茶店なのだそうです。
同じくマッチに記載されている『ピザリアベルボン』という店もそのS氏がやられていた店だそうです。
何故Kさんがご両親の知人のお店をよく覚えていたかというと、
ご両親がやはり長野に一時住んでいて喫茶店を経営されていた時に大変お世話になった方だそうで、
Kさん自身も『イングランドヒル』を訪ねたことがあったからのようです。

Kさんは現在東京在住ですが、
お父様が亡くなられたのをきっかけに長野の街を訪れてその足跡を辿ってみた際に
『イングランドヒル』を検索していて私のブログ記事にたどり着かれたようです。

Kさんの述懐による当時の『イングランドヒル』があった場所や店内の様子は以下の通りです。

  「建物自体残っていないと思っていたのですが現在もまだありました。
   その昔、長野駅付近から善光寺までの道両脇は歩道に屋根の付いたアーケードとなっており、
   お店はその通りの2階にありました。
   1階には現在も当時から営業しているブティックがあり、
   一階入り口より階段を昇ると古いレジスターだかタイプライターが飾ってあったのを記憶しております。
   内装はあまり覚えていないのですが、昼間でも照明が無いと少し暗く感じる様な所だったような・・・
   今考えてみるとダークブラウンを基調とした喫茶店らしい落ち着いた雰囲気だったと思います」


ブログ記事をアップした時には、
どこにあるお店だったかもわからなかった『イングランドヒル』の景色が少し見えてきました。


                        *****


さて、マッチに使われているモノクロ写真ですが、
私はてっきりどこかの雑誌のグラビアからでも持ってきて流用したものか、
またはマッチやさんの見本にあった写真だと思っていたのですが、
Kさんによると、この写真はKさんのお母様の叔父様が外遊時に撮られた写真なのだそうです!

イングランドヒル 広げたとこ

しかもこの写真は、
その叔父様が溝の口で経営されていた喫茶『トータス』という店でも使用されていたとのこと!
(そちらは箱マッチだそうです)
いつかそのマッチにも巡り合ってみたいものです!
(ひと山マッチの中に混じってないかな~)


                        *****


さて、以上のやり取り (実際にはもっと長く詳細) をKさんと続けているうちに、
もしかしてこのマッチは私の手元にあるよりも、
Kさんのお母様の元にあった方が自然なのでは?と思うようになりました。
というのも、Kさんのご両親が長野で喫茶店を経営されるにあたって
『イングランドヒル』のS氏に大変お世話になったとのこと。
Kさんにも、Kさんのお母様にとつても思い入れのあるお店だったと思われたからです。

また、Kさんからも、もし将来万が一私がマッチを手放すようなことがあったとしたら、
このマッチを譲っていただけないか…というお話を頂いたこともあり、
それなら私のところにあるよりはと、後日Kさんの元に送らせていただき、
お母様に大変喜んでいただいたとのご報告を頂きました。

『イングランドヒル』のマッチは、約30年の時を経て、
その「物語」を知る人達の元に戻ったというわけです。

私のような見ず知らずの (ましてやその店に行ったこともない) 人間が持っているより、
ずっと幸せな余生を送れているに違いありません。

イングランドヒル 開けたとこ



                        *****


以前、マッチ集めをしている私にある方から、
  「あなたが集めているのはマッチだけでなく、”物語”なんですね」
と言われたことがあります。

そんな自覚は無かったのですが、
たしかに私の手元には、徐々にマッチにまつわる物語がひとつまたひとつと集まって来て、
それはあたかもマッチを灯す度に浮かび上がる『マッチ売りの少女』の物語のようです。

ですがそれは私が”物語”を集めているわけではなく、
そもそもマッチにはどんなマッチ(店)にもいくつかの”物語”が隠されているということなんだと思います。

問いかけてもマッチは自らにまつわる”物語”を語りだすことはないけれど、
時々こうやって思いがけない物語に出逢えることも、
マッチ集めのひとつの楽しみなのではないかと思うのです。


<オマケ>
Kさんのご両親が長野で経営されていた喫茶店のマッチ画像を送っていただきました。
ひとつのマッチから、また新たな新しいマッチへの出会いが生まれました。

 長野にあった喫茶店 Beard の、マッチ。

Beard (イングランドヒル)
(2012年、Kさんより画像をいただきました)

店名の文字はお母様が書かれたものだそうです。








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